彼はトイレに行った後、お風呂を沸かしに行った。
お風呂を沸かすのはいつも彼の役割である。
彼はお風呂の温度にうるさいの^ー^
お風呂の温度設定をしている彼の背中に回り込み、
彼のお腹をまさぐる。

振り返って、「ちょっと温度設定やってみて」と言う彼。
「なんか細かく温度設定できへんのよ」
本当だ。お湯か水の量を調整するしかできない。
ちょっとぬるい感じがするので、ちょっと熱めに調整してみる。
でも熱すぎると熱いお湯が苦手な彼は嫌がる。
私も熱いお湯は苦手だし、気持ちはわかる。
こんなんでいいかな。

私が調整している間、彼は真後ろにいたのだが、
ちょっかいかけてこなかった。
彼はドSだけど、人が真剣に何かやっている時は邪魔してこない。
こういうところ、真面目やよね。

テーブルの上にポッキーの箱が置いてある。
「あ。ポッキー。ありがとう」
「ほんまは極細がよかってんけど、コンビニにこれしか置いてなかって」
「そんなの買う時間あったの?」
「うん。早く着いたから」
「何時に着いたの?」
「10時過ぎかな」
「ええーそうなの?」
「道空いてたから」
私が着いたのは10時半くらい。
今度からもっと早く着くようにしよう・・・。

彼は私の持ってきたお菓子を見て、パイナップルの果汁グミを選んだ。
1個食べて「おいしい」。1個を私に渡してくれた。
「グミってカロリー低いし」と私。
「カロリー低いの?」
「あと果汁グミって果汁100%やねんで」
「そうなん?果汁100%ってすごいな」
それからポッキーを開けて食べる彼。
グミとポッキーって食べ合わせどうなんやろか。

彼が持ってきてくれたCDを見る。
「これはザ・スタンダードなジャズ。
これは絶対聴いたことあるで」
ボサノバのCDだが、全く知らないミュージシャン。
「これ、借りていいの?それとももうあなたは聴かないの?
「うん。聴かないからもらってくれてええで。
ハードディスクにも入ってるし」
「じゃあ。もし気に入ったらもらって、気に入らなかったら返すね」

彼に貸したCHARA+YUKIのミニアルバム。
彼はこのミニアルバムを初めて聴いた時、あまり気に入らなかったみたいで、
YUKI単独の方が好きって言ってた。
「CHARA+YUKI何回か聴いた?」
「うん。何回か聴いたけど、やっぱりYUKIだけの方が好きかな」
「えーやっぱりそうなのお?前感想聞いた時からショックで
CHARA+YUKI聴いてないんだよ!10月から聴いてないねんで!」
「えー。聴いてよ」
「聴きたいけど聴けないよ」
だって好きな人に、自分の好きな作品を好きになってもらえないと
悲しい(´・_・`)
「ねえ。なんで嫌なの?好きになってよ!」と彼に抱きつき、
駄々をこねる私(・ε・。)
こういうところが彼に甘えてるところです。

彼はお風呂場に行って、「あっ!」と声を上げた。
お湯の勢いがよかったので沸くの早いだろうなと思っていたが、
案の定らしい。
「溢れた?」と様子を見に行くと、
「いや、ぎりぎりセーフ」
溢れそうなくらいお湯は溜まっていたが、溢れてはいなかった。
彼が先にバスタブに入る。
「おお!お湯の温度ちょうどいいよ」
「ほんと?よかった」
私も入ってみると、ちょっと熱めのいい湯加減。
「本当に今の音楽って知らへんからさあ」と彼(そう言いながらも、
彼の方が最近の音楽を知っていると思う)。
「『うっせぇわ』はうっせぇうっせぇうっせぇわ~って耳に残るけど」
「私も今の音楽知らない」

お風呂でイチャつくのは2019年の10月に逢った時以来である。
それ以降は一緒にお風呂に入ってもなぜかエッチっぽい行為はしなかった。

「私も今の音楽って知らないけど、aikoの今年出たアルバムな、
あんまり期待してなかったの。
2枚のシングルはどっちも失恋ソングだったし」
「あ、そうなの?」
「で、期待しないで聴いたら凄くよかったの」
「そうなんや」

「もう熱いから上がろうか」
お風呂からいつも出たがるのは彼の方。
先に出た彼がバスタオルを渡してくれる。
「ありがとう」
こういうの地味に嬉しいのだ。

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