正しい街

2020年5月3日 home
この人はめったに泣かない。
約17年付き合ってきて、私の前で涙を見せたのは、
多分数えるほどだろう。

私の言葉に、涙を流すほど傷付いて、部屋の隅っこで、
膝を抱えて頭をかきむしっていた。
怒るんじゃなくて、泣くほど傷付くとは。

この人を「冷たい」「ドライ」だと思ってきた。
そういう時もあるけど、でもそれはわざとなのかもしれないし、
本人は無意識なのかもしれない。
自身が本気で冷たい人、ドライだと思った事はないのだろう。

ごめんね。決め付けて。
ごめんね。こうしてほしい、こう言ってほしい、もっと気遣ってほしいって、
行き過ぎなほど望んで。
あなたは、あなたなのに。
私があなたを追い込んだ。責めてしまった。

ただ、私の気持ちを少しでも汲み取って、心に寄り添って欲しかった。
私こそどんな態度とればいいのかわからなかったし、
逆の立場だったら多分、気を遣って言葉を選ぶか、言葉少なになっていたよ。
笑わせようなんてしてくれなくてよかったんだよ。
いつも通りにする、それがあなたの気遣いだったなんて、
私には淡々としている風に見えたんだよ。

その場を黙って、作り笑いでもいいからやり過ごしていたら、
あなたを泣くほど傷付ける事はなかっただろうか。

何かこれからどう接して良いか、しばしの間わからない。
むしろあなたも。

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